子育て

子育てエッセイ 「あだ名はココです」 ~ジィジみたいになりたくない~

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自粛で休校になった長男ココ。

家にずっといるココは、目に見えてダメ人間になっていっていた。

朝遅く起きてきて、朝ごはんを食べるとストーブの前で漫画か、ゲーム本を片手に横になる。

牛になるぞ!が、もう通用しない小学四年生。頭の中はゲームか漫画のことしか考えるスペースが与えられていない。

そんな毎日の姿にほとごと腹が立ち、家にいる間は、お手伝いを!と持ちかける。

いままでは家のこと全般に手伝って~としていたが、ここにきて四年生にもなるから何か家でココの仕事というものを任せようとなった。

皿洗いとお米を炊くのはどう?ココは無言で答えない。

民主主義の原則で話し合いを、と両親(デッテと私)とココの三角形で望んだが、ココは家仕事したくない雰囲気。

「あのね!どこの部族でもそうだけど、母がご飯作ったら、父は猟や家を守る仕事してるよ。一家の男は父の仕事の補佐したり、家での自分の仕事ってもの持ってるよ」

と話した。私の頭には腰布をつけた裸体の部族男が浮かんでた。

「だから、ココもこの家の男だから、何か家の仕事しよう」

と言ったが、ん~と考えている様子。するとデッテが、

「田舎の長男は、大事に育てられすぎて大人になってから何にもできない男になるよ。ご飯も作れないような男になってもいいのか?」

と自らの経験を生かしてココに語る。あたしも

「そうだそうだ!大人になって何にもできない男になったら、結婚したお嫁さんが大変なんだよ!長男だから何にもできないって言われてもいいの?」

というと、デッテがそこにつけたし、

「ご飯も洗濯もできなくてさ、いっつもゴロゴロしてばっかで バァバの世話なってる実家のジイジみたいになっちゃってもいいの?」

と言ったところで、

すかさず「皿洗いと、お米炊くのを仕事にするよ」と素直にココ。

実家のジィジとは、私の実父だが、影で「レジェンドひとし」と呼ばれるほどの、やっかい児だった。気に入らないとすぐにイラつき、横暴さに出て、30秒黙っていられない。中身は案外ピュアな、推定精神年齢5歳児。

さすがに、ココもそうなりたくないと思えるような人物だけに、説得が効いた。

精神年齢でいえば、小学四年のココは、とうにジィジを上回っているため、いつも「やれやれ感」がある。

休みの日は一日中ベッドでTV鑑賞。孫と遊ぶこともしない生涯自分勝手な自由人ひとし。

「俺、ジィジみたいにはなりたくないからさ。もしそうなったら死ぬしかない」とココ。

孫にこんなこと言われているよ。ひとし。

レジェンドは続く。いい薬になった。



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