一昨年の冬のこと。
階段で足を踏み外し、尻を強打し10段落ちた。
その後も痛みに耐えて生活したが、最初は心配していた家族も、哀しいことに数日たつと、まだ痛がる私に「どこが痛いの?」と言うようになった。
階段から落ちたんだから尻が痛いんだよ!
洗濯干しの中腰で痛がるのをみても、手伝おうとしないココをみて、ハナが手伝ってくれた。
ありがとうと言うと、「男ってダメよね」とハナ。
そっと頷き、女の子産んどいてよかったと心底思う。
数日経って痛みが治まらず医者に行くと、尾骨にヒビ。
おじいちゃん先生は
「よく今まで我慢しましたね。これは痛いはずですよ。灯油缶なんて重いもの持たないように、抱っこもなるべく、家事も痛いことは避けて治るまで安静にして下さいね」と。
先生、その言葉録音していいですか?家で大音量で流します!
その後もハナは私に『あたし』たちは女の子、『俺』は男。男ってダメよね、手伝わないもんねと見えない同盟を組もうとし、「そうだね、あたしたちは女の子だね」と返すと嬉しそうに家事を手伝ってくれた。
その横で、漫画を読むココ。
あんなにナナ、ナナって私が一番だったココも、今や腹の底では
母ちゃんの尻よりもジャンプの発売日を気にしているよ。寂しいね。
女の子って何だかんだ、大人になってからも助けてくれるんだろうなと思ったが、
ある日またハナに洗濯手伝ってと言うと、「しない!」
「あれ、ハナちゃんは『あたし』でしょ?あたしたちは女の子よね」
とチーム女子を匂わせると、即座に
「ハナちゃん、俺だから」と寝返った。
短命だったチーム女子。
これからは、ピピを最強の『チーム母ちゃん』にしてやる!と誓う母だった。
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