最近、物事の移り変わりが目まぐるしく
自分の中で、うまく消化して進んでいるのかわからない
気にならなくなってきた。
黙っていても、汗ばんだ身体が乾いていくように、
いつの間にか風化したり、そこに居ついたりして、
どこから来て、どこへ行くのか、
それがわからなくなることがたくさんあるからだ。
いつの間にか、居なくなったり、
それすらも気づかないほどに、
華麗だからか、記憶の糸を手繰り寄せ、握りしめているだけの
腕の力がなくなって来たのか、
うまく思い出せないことが、たくさん有り余る。
切ないほどの若い頃は、
自分が持っている、人の何倍も感じ過ぎてしまう感受性と
いつまでも甦る鮮やかな記憶とに、打ちのめされるほど
優しく弱い生き物だった。
ただ、単に腕の力がなくなり、記憶という細い糸を
じっくり握りしめていられなくなって来た身体の鈍さだけのものではなく、
「忘れる」ということができるようになって来ている
最近の自分のことを、私はよく気に入っている。
「忘れる」というのは、
人が生きるために必要な、素晴らしい才能だと思うから。
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