パワースポット

伊江島について - やっぱりたっちゅう -

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白砂の沸き出でる備瀬のフクギ並木を歩いていると、緑の葉のついた木々の袖から真っ青な海が開けてきます。
その海を眺めていると、心がスッとし、自分の足元にある珊瑚のかけらを見て、ふと遠き異国の地にいる気持ちにさせられます。

並木道から見える海の先に、陽の光をうけて崇高に立ち上がる山の姿とその島を望むことが出来ます。
それが、伊江島にある城山(グスクヤマ)です。



岩が切り立ち、荒々しくそびえ立つようにしてできているこの城山は、タッチューという愛称で呼ばれ沖縄本島の人からも親しまれている場所です。
海面に浮かぶ島に魔女の帽子が乗っているように見えるこの城山は、近海を航海する船が目印にしていたそうです。
またここは地元の人にも愛され、航海の安全と健康、豊作を祈願するための城山御嶽があります。

オフスクレープ現象と呼ばれる、古い岩盤が新らしい岩盤に潜りこむ中で一部が剥がれて新しい岩盤の上に乗ったことによってできたのが、この山だそうです。
島が出来る七千年も前に出来たとされ、この現象によって出来た山を実際みられるのは、世界中でも伊江島の城山だけと言われています。

帽子のような形をしてそそり立つ崖のような表情をしているその山の麓に行くと、その勾配の急さに驚きます。

城山に上る場所の駐車場から、階段を上ってゆくと、聖地独特の神聖な空気が流れてきます。
暑い最中でも木々や、鳥、虫たちが静まり返っているような岩肌から出る山の息遣いが、一段ごとに登る足に染み入ります。
途中、階段のあまりの急さに怖くなり、歩いてきた道を振り返りたくなる衝動に駆られるのですが、きっとここを抜け頂上に行くことがどれだけ意味があることになるだろうと自身に言い聞かせながら、また次の一歩を踏むのです。
一歩一歩、その次の一歩のことだけを、そして頂上で目にするものへの期待だけを抱え登ってゆく城山は、観光地の華やかで優しい表情をしていません。

そうして登った頂上には、何があるともなく石碑とやはり岩ばかりの決して広くないスペースが現れます。
ごつごつとし、平らでもないその頂上に立つとき
「ここまで、よく頑張ったね」
そう言ってくれるようなものは、何もありません



しかし、疲れた身体を休めようとして岩に腰掛けたときに、突如四方八方に開けた景色に圧倒されるのです。
畑や家々、島の全面を見晴らすことができる城山。
遠くに望む島々や空と青さが一体になる海。


暑さと太陽をさえぎるものがないその場所で、山の中心に腰をおろすとき、心に何も無くなるような感じを味わいます。
山を登って吹き出た汗は、風にとけてゆき、遠くを望む視界には海の向こうの国が見えるようです。
何かを制覇したような、自然に抱かれているような、ふと我に返るとき自分が深呼吸をしていることに気づくのです。


城山の頂上は、深呼吸する青の聖地です。

己の中にあるものをそぎ落とし、心に何も所有せず、空と一体になる青々と澄み切った内なる神殿の中で、沈黙の祈りを捧ぐ場所、それが城山の真なる姿ではないでしょうか。

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